伊予国越智七島に鎮座する歴史ある早津佐神社では、毎年9月第2土曜日に「秋祭り」が行われます。
神輿が島内を練り歩き、辻々では勇壮な獅子舞が披露され、夕方の宮入りまで一日中にぎわう島最大の行事です。
古来より続く伝統と迫力ある神事が織りなす一日を、ぜひ体感してみませんか。
早津佐神社秋祭りの日程

概要
開催日時:毎年9月第2土曜日
場所:早津佐神社
お問い合わせ先:今治市関前支所
電話番号:0897-88-2111
開催日程
早津佐神社の秋祭りは、毎年9月の第2土曜日に行われる例祭です。
宝亀10年(779年)に勅により鎮座した歴史ある神社で執り行われるこの祭りは、島全体が一体となって盛り上がる行事として親しまれています。
地域の人々が心待ちにする大切な年中行事であり、古くから受け継がれてきた伝統を感じられる特別な一日となっています。
行事の流れ
祭り当日は、神輿が島中を巡幸し、辻ごとに獅子舞が披露されることで大いに賑わいます。
神輿は島内を練り歩き、各所で神聖な雰囲気をもたらしながら進行します。そして各辻で行われる獅子舞は、地域の人々の力強さと熱気が伝わる見どころのひとつです。
夕方になると神輿が社に戻る「宮入り」が行われ、一日の祭りはクライマックスを迎えます。
早津佐神社秋祭りの見どころ

神輿の巡幸
早津佐神社秋祭りでは、神輿が島内を巡幸する様子が大きな見どころとなっています。神輿は一日を通して島の各地を練り歩き、その姿は地域の人々に力強さと神聖さを伝えます。
道々で響く掛け声や、神輿を担ぐ人々の熱気は、祭りならではの高揚感を生み出します。島全体が一体となり、神様を迎える厳かな雰囲気と活気に満ちた賑わいを同時に感じられるのが、この巡幸の魅力です。
獅子舞
神輿の巡幸と並び、各辻で披露される獅子舞も秋祭りの見どころです。辻ごとに行われる獅子舞は、地域の人々にとって古くから伝わる大切な芸能であり、祭りの場をより華やかに彩ります。
獅子の舞いは邪気を払い、地域の安全や五穀豊穣を祈る意味が込められており、観る人々に迫力と厳かさを感じさせます。辻々で違った表情を見せる舞が繰り広げられ、祭りを訪れる人々の心を惹きつけます。
宮入り
夕方に行われる宮入りは、早津佐神社秋祭りの締めくくりとなる重要な場面です。一日をかけて島内を巡幸した神輿が神社に戻る瞬間は、祭りのクライマックスとして多くの人々が見守ります。
賑やかだった巡幸や獅子舞の余韻を感じながら、神輿が神社へと入る場面は厳かで神聖な雰囲気に包まれます。宮入りは、地域の人々にとって感謝と祈りを新たにする大切な時であり、祭り全体を締めくくる感動的な瞬間です。
早津佐神社について
由緒
早津佐神社は、宝亀10年(779年)に勅命によって伊予国越智七島に鎮座したと伝えられる七島七社の一社です。かつて大下島には大気神社、小大下島には速津佐神社がありましたが、現在は大下に速津佐神社が鎮座しています。
明治三年に合祀された際、主神を猿田彦命、配神に大気都比売命などを祀り、速津佐良姫命は社名に残されました。歴史ある祭礼が今も島民に受け継がれています。
主祭神
早津佐神社の主祭神は猿田彦大神です。猿田彦大神は道開きや道案内の神として知られ、島民の生活や祭礼に深く関わっています。
例祭では、神輿が島内を巡行し、神様が島を見守るとされるこの神の存在が祭り全体を支えています。歴史と信仰が一体となった神社の中心的存在です。
境内社
早津佐神社の境内には、天神社、荒神社、龍神社の三社が併設されています。天神社は学問や知恵を司る神を祀り、荒神社は火や災いを防ぐ神、龍神社は水や自然の恵みを守る神とされています。
祭礼の際には、これらの境内社も含めて島民が参拝し、神々の加護を願います。
特殊神事
早津佐神社では、2月の第2土曜日に弓祈祷が行われます。この特殊神事では、神前で弓を用いた祈祷が行われ、無病息災や豊作などを願います。
島の伝統行事として古くから続けられ、地元の人々にとって神聖な意味を持つ行事となっています。祭りや日常生活においても信仰の中心として大切にされています。
大下島(おおげしま)について
島の概要
大下島は愛媛県今治市の関前諸島に属し、東端に位置する面積1.75㎢、周囲7.2㎞、標高203mの小さな島です。今治港から高速艇で約45分でアクセス可能で、西に小大下島、東に大三島があります。
島全体が花崗岩に覆われ、家屋は中央部のわずかな平地に密集。入り母屋造りの瓦屋根が統一感を持って並び、鯉やえびすさんを描いた瓦も見られます。共同井戸も点在しており、島の生活に欠かせない存在です。
産業と暮らし
古くから浄土真宗の信仰が根付く大下島では、殺生を避ける風習から漁業は行われず、農業が主要産業となっています。
島の大半はミカン畑に覆われ、甘くみずみずしい果実が島の経済を支えています。集落内には、熟したみかんを貯蔵する「みかん蔵」が点在し、散策しながらその景観を楽しむことができます。
観光スポット
- 大下島灯台:1894年に設置された歴史ある灯台。来島海峡の西の入り口に位置し、灯台ファンも多く訪れる場所です。
- みんなの広場:灯台下の広場。映画『仰げば尊し』のロケ地で、主演の森繁久彌が書き記した詩碑があります。
- 海賊の洞穴:港の北部にある深い洞窟。海賊の伝説や財宝の噂が残る神秘的なスポットです。
- 早津佐神社:港近くに鎮座し、9月の秋祭りでは神輿巡幸や獅子舞、夕方の宮入りまで島民で賑わいます。
グルメ情報
大下島の特産品はミカンです。温暖な気候と日当たりの良さで育まれた果実は、甘みと酸味のバランスが良く、島の風景とともに楽しめる名産品となっています。
まとめ
早津佐神社秋祭りは、毎年9月第2土曜日に行われ、島内全体が活気にあふれる伝統行事です。
祭りの主な見どころは、神輿の巡幸、各辻での獅子舞、そして夕方の宮入りで、一日を通して島民や訪問者が賑わいを楽しめます。宝亀10年(779年)に勅命で鎮座した歴史ある神社で、主祭神は猿田彦大神です。
境内には天神社、荒神社、龍神社があり、2月第2土曜日には弓祈祷といった特殊神事も行われています。祭りを通して、神社の歴史と地域の伝統文化に触れることができます。