八幡浜市保内町で毎年開催される「保内秋祭り」は、江戸時代末期から続く伝統的なお祭りです。
三島神社を中心に、地域ごとの四ツ太鼓、御車、牛鬼、御船、唐獅子、五ツ鹿踊りなど、色鮮やかで迫力ある練物が次々と境内を彩ります。
10月第4土曜日に行われるこの祭りは、秋の一日を通して南予ならではの勇壮かつ優雅な祭り文化を体感できる絶好の機会です。
保内秋祭りの日程

保内秋祭りは、八幡浜市保内町に鎮座する三島神社で毎年10月の第4土曜日に開催されます。当日は町内の各地区から多彩な練物が奉納され、伝統的な祭りの雰囲気を存分に味わうことができます。
午前9時頃から神殿で神事が始まり、ウラヤス舞いの奉納や山車の宮入りが行われます。四ツ太鼓、御車、牛鬼、御船、唐獅子、五つ鹿踊りなどが順次境内に入場し、約3時間かけてお練りが繰り広げられます。
午後には神輿の渡御が御旅所まで行われ、再び本宮に戻る宮入で祭りのクライマックスを迎えます。
概要
開催日時:10月第4土曜日
場所:三島神社
お問い合わせ先:三島神社
電話番号:0894-36-1815
祭りの一日の流れ
保内の三島神社で行われる神幸祭は、朝から夜まで賑わいを見せます。午前9時頃から神殿で神事が斎行され、ウラヤス舞が奉納された後、各地区の山車が順に宮入りします。
四ツ太鼓を先頭に御車、牛鬼、御船、唐獅子、五つ鹿踊りと続き、拝殿前で勇壮かつ優雅なお練りが披露されます。およそ3時間をかけて宮入が行われ、境内は祭り一色に染まります。
午後になると神輿が御旅所へ渡御し、地域の人々の掛け声とともに進行します。その後、本宮で神輿が再び宮入りし、祭りは最高潮に達します。伝統を守り続けるこの流れこそが、保内秋祭りの大きな魅力です。
保内秋祭りとは

保内秋祭りは、愛媛県八幡浜市保内町に伝わる伝統的な秋祭りで、各地区の神社で盛大に開催されます。祭りでは、唐獅子舞、五つ鹿踊り、四つ太鼓、牛鬼、山車といった特色ある練り物が地区ごとに登場し、華やかに巡行します。
それぞれの出し物は神社へ奉納され、地域の人々が一体となって伝統を受け継いでいます。勇壮で迫力ある牛鬼や優雅で美しい四つ太鼓など、南予地方独特の芸能が披露されるのも大きな魅力です。
秋の一日を彩るこの祭りは、地域の誇りであり、世代を超えて大切に守られ続けています。
三島神社と神幸祭
三島神社は宝亀5年(774年)に創設されたと伝わる南予の古社で、歴史ある神宝や建築を今に伝えています。
この神社で行われる「神幸祭(みゆきさい)」は、10月第4土曜日に盛大に開催され、江戸時代末期から現在まで続く伝統行事です。氏子の各地区からは、華やかで個性豊かな練物が奉納されます。
本町の「御舟」、内之浦や琴平などの「御車」、雨井の「四ツ太鼓」、赤網代の「牛鬼」、大竹の「五つ鹿踊り」、和田町の「唐獅子」といった南予を代表する出し物が次々と境内に登場し、勇壮さと優雅さが交錯する見どころ満載の祭りとなっています。
保内秋祭りの魅力
保内秋祭りの象徴は、化粧をした子供たちが撥を高く振り上げながら打ち鳴らす「四ツ太鼓」です。優雅で美しい姿は祭りの華として人々を魅了します。
対照的に、勇壮な御船回しや境内を練り歩く大きな牛鬼は迫力満点で、観客を圧倒します。さらに、五つ鹿踊りや唐獅子など南予独特の練物も登場し、地域の誇りと個性が光ります。
人口減少が進む中でも伝統を守り続ける姿は祭りの大きな意義であり、秋の一日を熱気と共に楽しむ地元の人々の心意気を感じられるのが、この祭り最大の魅力です。
保内秋祭りの出し物
四ツ太鼓
四ツ太鼓は、南予地方を代表する華やかな出し物で、祭りの華とも称されます。化粧をほどこした子供たちが紅の襷に投げ頭巾をかぶり、撥を高く振り上げ下ろしながら太鼓を打ち鳴らします。
その姿は優雅で美しく、多くの人を魅了します。布団や飾り物、頭巾の色合いは地域ごとに微妙に異なり、それぞれの特色を示しています。ゆったりとしたリズムの囃子とともに、祭りの雰囲気を一層盛り上げます。
牛鬼
牛鬼は南予の祭りに欠かせない存在で、特に保内の牛鬼は大きく立派な姿で観衆を圧倒します。境内を練り歩くその姿は迫力満点で、祭りの場を狭く感じさせるほどの存在感を放ちます。
また、赤い布をまとった子供の牛鬼も登場し、勇壮さの中に華やかさを添えます。大人の牛鬼と子供の牛鬼が揃って舞う様子は、地域の伝統と次世代への継承を象徴するものとして人々に深い感動を与えています。
五つ鹿踊り
五つ鹿踊りは、南予地方特有の伝統芸能で、保内の秋祭りでも特に人気を集める出し物です。鹿に扮した踊り手が境内で舞い始めると、辺りはすぐに人だかりができ、祭りは最高潮に達します。
観客を引き込む躍動感あふれる踊りは、古くから地域に受け継がれた文化の象徴です。少子化や過疎化が進む中でも、この踊りは人々の心をひとつにし、地域に活気を与える大切な存在として今も守り続けられています。
御船と御車
御船と御車は、保内の祭りに欠かせない華やかな出し物です。御船は漆を施され御座船のように造られた立派な山車で、大きく勢いよく回す「大船回し」は勇壮そのものです。
一方の御車は、彫刻や刺繍で豪華に飾られ、人形を乗せる南予独特の屋台です。旗持ちの少年が化粧をほどこし、紅白の鉢巻や化粧まわしを身につけて先頭に立つ姿は、神様の依代としての荘厳さを感じさせ、観客を魅了します。
唐獅子舞
唐獅子舞は、保内の秋祭りを彩る重要な出し物のひとつです。山車に登場する唐獅子は、力強くも華やかな舞で観客の目を奪い、祭りの雰囲気を一層盛り上げます。
南予に伝わる伝統芸能として、地域ごとの特色を持ちつつも共通して勇壮で迫力ある演舞が展開されます。その存在感は他の出し物と並んでも決して埋もれることなく、祭り全体に華を添える重要な役割を担っています。
まとめ
保内秋祭りは、三島神社を中心に行われる伝統的なお祭りで、江戸時代末期から続く格式ある行事です。
四ツ太鼓や牛鬼、五つ鹿踊り、御車、御船、唐獅子など、南予ならではの多彩な練り物が次々と奉納され、観客を魅了します。化粧を施した子供が打つ四ツ太鼓の優雅さや、勇壮な大船回し、大きな牛鬼の迫力は見どころの一つです。
地域ごとの特色を守りつつ盛大に行われるこの祭りは、過疎化や少子化の時代にあっても変わらぬ形で続けられ、秋の一日を彩る貴重な文化遺産となっています。