2025年10月10日から約1年半にわたり、道後温泉地区が蜷川実花とクリエイティブチーム EiM による大規模アート空間へと生まれ変わります。重要文化財・道後温泉本館の歴史と記憶に、鮮やかな光と花が呼応する本プロジェクトは、過去と現在が溶け合う“いのちの咲く湯”を体感できる特別な機会。これまでにないスケールで展開される最新アートの魅力と、訪れる前に押さえておきたいポイントをわかりやすく紹介します。
開催概要

詳細
開催日:2025年10月10日(金)~2027年2月28日(日)
場所:道後温泉地区
お問い合わせ先:道後アート実行委員会事務局
電話番号:089-921-6464
会期と開催期間の詳細
本企画「蜷川実花 with EiM × 道後温泉 DOGO ART」は、2025年10月10日から2027年2月28日までの長期間にわたり開催される。道後温泉本館が改築130周年を迎える節目の年に合わせて実施され、歴史的建造物が現代アートの舞台として活用される点が特徴となっている。写真、映像、空間演出が融合する展示が通期で展開されることで、多様な体験が可能となり、訪れる時期によって異なる印象を受けられる点も大きな魅力である。
開催場所(道後温泉地区)の特徴
展示が行われる道後温泉地区は、国の重要文化財である道後温泉本館を中心に、歴史・文化が濃密に積み重なる地域である。古くから湯治場として人々を癒してきた伝統を背景に、多くの記憶と物語が息づく空間が広がる。本企画ではその独自性を活かし、花や光を媒介としたアート表現が場の記憶と呼応するように構成されている。歴史的景観と現代アートが重なり合うことで、この場所ならではの体験価値が生まれる点が特徴である。
主催者情報と問い合わせ先
本企画の主催は「道後アート実行委員会」であり、道後温泉本館を中心とした地域文化の発信を担っている。問い合わせ窓口は道後温泉事務所内に設置されており、電話・FAX・メールでの対応が可能となっている。連絡先は、TEL:089-921-6464、FAX:089-934-3415、MAIL:dogojimu@city.matsuyama.ehime.jp。来場前の確認事項や実施内容の詳細について、利用者が適切に情報を得られる体制が整えられている。
プロジェクトのコンセプト

本プロジェクトは、歴史と文化が重層する道後温泉の空間に、現代アートの表現を重ねることで新たな体験価値を生み出す取り組みです。道後温泉が古くから持つ癒しの役割や、人々の記憶が蓄積された土地の特性を背景に、写真家・映画監督・現代美術家として活動する蜷川実花と、クリエイティブチーム EiM が協働して制作を行う点が特徴です。空間自体が呼吸するような演出を通じ、歴史的価値を尊重しつつも新しい視覚体験を提示する構成となっています。
「いのちの咲く湯 – A Place for Blooming -」とは
「いのちの咲く湯」は、道後温泉が古くから神々や人々を癒してきた場所であるという背景に基づき、土地に宿る神話・歴史・文学・暮らしの記憶を花という象徴を用いて呼び覚ますコンセプトです。花は単なる装飾ではなく、湯に浸った命の残響や神の気配、土地に残る記憶の化身として描かれます。これにより、訪れる人々が体験する空間は、過去と現在が重なり合う場として提示され、道後温泉が持つ精神性を視覚的に理解できる構造になっています。
花と光が象徴する表現テーマ
展示では花と光が主要な要素として扱われ、空間に漂うように配置されることで独自の演出が生まれます。花は生命や記憶の象徴として、光はその存在を浮かび上がらせる役割を担い、両者が組み合わさることで空間全体が呼吸しているかのような印象を与えます。また、無数の記憶や生命のつながりが可視化される構成となっており、歴史的建造物を舞台にしながらも現代アートの感性を鮮明に体験できる表現が採用されています。
道後温泉本館130周年との関連性
道後温泉本館は改築130周年という節目を迎え、その長い歴史に新たな表現を重ねる意図のもと本プロジェクトが展開されます。重要文化財である本館にアートを取り入れることで、歴史を尊重しながらも現代的な視点を加える試みとなっています。長年受け継がれてきた記憶や文化と、蜷川実花と EiM による最新表現が響き合うことで、節目の年にふさわしい新しい姿の道後温泉を提示し、訪れる人にこれまでにない視覚体験を提供します。
アーティスト紹介
蜷川実花のプロフィールと過去の道後プロジェクト
蜷川実花は、写真、映画、映像、空間インスタレーションなど多様な領域で活動するアーティストで、木村伊兵衛写真賞をはじめ多数の受賞歴を持つ。これまでに120冊以上の写真集を刊行し、個展150回以上、グループ展130回以上を開催してきた。道後温泉とは2015年、2018年、2021年につづき、本企画で4度目の共同プロジェクトとなる。歴史ある空間の特性を生かした作品制作に取り組んできた経緯があり、今回も EiM とともに新作に挑むなど、継続的な関係性が特徴となっている。
EiM(Eternity in a Moment)とは
EiM は「Eternity in a Moment」を名称に掲げるクリエイティブチームで、蜷川実花、宮田裕章、桑名功、上田晋也、打越誠 ほかで構成される。写真や映像のみならず、空間を活かしたインスタレーション制作を行い、時間や記憶をテーマとした表現を特徴としている。メンバーそれぞれの専門性を組み合わせることで、多角的なアート体験を創出しており、本プロジェクトでもその表現手法が活かされている点が大きな特徴である。
過去の代表作品と活動履歴
EiM は国内外で複数のアートプロジェクトを展開しており、「胡蝶の旅」(安比 Art Project/2022)、「残照」(小山登美夫ギャラリー前橋/2023)、「瞬きの中の永遠」(TOKYO NODE/2023–2024)など、空間表現を中心とした作品を発表してきた。ほかにも「儚くも煌めく境界」(弘前れんが倉庫美術館/2024)や「深淵に宿る彼岸の夢」(森の芸術祭岡山/2024)など、継続的に多様な場所で作品を展開している。2025年には京都市京セラ美術館で「彼岸の光、此岸の影」を発表する予定となっている。
作品・展示の見どころ

道後温泉の歴史と現代アートが融合するポイント
道後温泉本館は国の重要文化財として長い歴史を受け継いできた施設であり、本企画ではその空間に現代アートを重ね合わせることで新たな視点を提示している。建物が持つ神話・歴史・文学・暮らしといった多層的な記憶を、蜷川実花と EiM の作品が呼び覚ます構成となっている点が特徴である。歴史的価値を損なうことなく、空間の特性を生かした展示が展開され、来訪者は時代を超えて重なる記憶に触れられる。文化的背景を保ちながらも現代的な表現が加わることで、道後温泉という土地の意味を改めて見つめ直す機会が生まれている。
空間インスタレーションとしての魅力
本プロジェクトでは、蜷川実花と EiM が空間特性を踏まえたインスタレーション制作に注力している点が大きな特徴となっている。写真や映像といった平面的な作品に留まらず、歴史ある建物内部で体験する立体的な環境演出が設けられ、作品と空間が一体化した構成が展開される。光と花が漂うような表現は、訪れる人に没入感を生み、道後温泉の持つ時間の積層をより強く感じさせる役割を果たしている。展示そのものが空間と呼応することで、観覧者が作品の内部に入り込むような体験が生まれ、従来の鑑賞形式とは異なる魅力を提供している。
花・光・記憶を用いた演出表現の特徴
本企画では「花」が重要な象徴として扱われ、装飾ではなく“湯に浸った命の残響”“神の気配”“記憶の化身”として表現されている点が特徴である。花に加えて光の演出が重なり、空間全体が呼吸するような情景が作り出されている。これにより、記憶や生命の層が浮かび上がるような視覚体験が生まれ、訪れる人々は土地に刻まれた多様な記憶を見出すことができる。花と光が織り成す表現は、道後温泉に古くから受け継がれる“いのちの咲く場所”というテーマを視覚的に伝える役割を担っている。
来場者向け情報
展示エリアの特徴と回り方のイメージ
本企画は道後温泉地区一帯を会場として展開され、重要文化財である道後温泉本館を中心に周辺エリアへと広がる構成が特徴です。歴史と文化の積層した空間に、蜷川実花とEiMによる花や光を軸とした表現が配置され、場所ごとに異なる記憶や物語を感じ取れるよう設計されています。訪れる際は、本館を起点に周辺へ歩いて巡る流れを想定すると、各展示のつながりが理解しやすく、作品の背景にある「いのちの咲く湯」というコンセプトを順を追って体験できます。
関連企業・協賛情報
本プロジェクトは地域と連携しながら運営されており、愛媛信用金庫、セキ株式会社、株式会社伊織、株式会社一六、株式会社JTB松山支店、株式会社成武建設、株式会社日珈、株式会社富士造型、水口酒造株式会社、株式会社エス・ピー・シー、株式会社えひめリビング新聞社など多くの企業が協賛しています。これらの企業は地域に根ざした活動を行っており、展示の実現を支える重要な役割を担っています。プロジェクト全体を支える体制を知ることで、地域とアートが連動した取り組みである点がより明確に理解できます。
観覧前に知っておくべき基本情報
会期は2025年10月10日から2027年2月28日までで、長期にわたり鑑賞可能です。開催地は道後温泉地区一帯で、主催は道後アート実行委員会です。問い合わせは道後温泉事務所内の事務局(TEL:089-921-6464 / FAX:089-934-3415 / MAIL:dogojimu@city.matsuyama.ehime.jp)が窓口となっています。展示は道後温泉本館の歴史的背景を踏まえて構成されるため、訪問前に会期や会場情報、連絡先を確認しておくことで、スムーズな鑑賞に役立ちます。
蜷川実花 with EiM × 道後温泉 DOGO ARTのSNS情報
幾田りらさんも体験
夜のライトアップ
道後温泉
まとめ
「蜷川実花 with EiM × 道後温泉 DOGO ART」は、道後温泉本館の改築130周年を機に、歴史的空間に現代アートを重ね合わせる長期プロジェクトとして開催されます。2025年10月10日から2027年2月28日までの約1年半、花や光を象徴とする表現を通じて、道後温泉に積層する神話・歴史・暮らしの記憶を浮かび上がらせる内容です。写真家・映画監督・現代美術家として幅広く活動する蜷川実花と、EiM の創造性によって構築される空間インスタレーションは、道後温泉地区全体の魅力を新たに提示する貴重な機会となります。本企画の概要、コンセプト、アーティストの取り組みを事前に理解しておくことで、より充実した鑑賞体験につながります。



