新居浜市の山あいに佇む「瑞應寺(ずいおうじ)」は、秋になると境内いっぱいに紅葉と黄金色のイチョウが広がる絶景スポットです。
樹齢800年を誇る県指定天然記念物の大イチョウや、山門を彩るもみじのトンネルなど、見どころが満載。静寂に包まれた修行道場ならではの雰囲気の中で、ゆったりと秋の彩りを感じることができます。
この記事では、瑞應寺の紅葉の見頃時期やおすすめの観賞ポイントをご紹介します。
瑞應寺の紅葉の見頃時期

概要
見頃時期:11月下旬〜12月初旬
場所:愛媛県新居浜市山根町8-1
お問い合わせ先:瑞應寺
電話番号:0897-41-6563
イチョウの見頃(11月初旬〜中旬)
瑞應寺の秋は、まず境内のシンボルでもある県指定天然記念物「大イチョウ」から始まります。樹齢800年を超えるこの巨木は、11月初旬から中旬にかけて葉を黄金色に染め、境内一面に光をまとったような幻想的な景観を生み出します。
風が吹くたびに舞い落ちる葉はまるで金の雨のようで、その美しさは圧巻です。特に見逃せないのは、落葉をあえて掃かずに残した“黄金の絨毯”。訪れる人々はその上を歩きながら、秋の深まりと寺の静けさに包まれる特別な時間を過ごすことができます。
もみじの見頃(11月下旬〜12月初旬)
大イチョウが黄金に輝いたあと、瑞應寺を彩るのはもみじの紅葉です。11月下旬から12月初旬にかけて、山門周辺や参道の木々が赤や橙に色づき、まるで紅葉のトンネルのような風景が広がります。
特に山門をくぐる瞬間、頭上を覆うもみじのアーチは訪れる人々を温かく迎え入れ、まるで紅葉の中を歩いているような感覚を与えます。日差しが差し込む時間帯には、光と紅葉のコントラストが際立ち、写真映えも抜群。静かな境内で感じる色の移ろいが心を癒してくれます。
長く楽しめる紅葉シーズンの魅力
瑞應寺の魅力は、イチョウともみじの見頃がずれることで、長い期間にわたり紅葉を楽しめる点にあります。11月初旬の黄金色から、月末には鮮やかな赤や橙へと移り変わる景色はまるで絵巻物のよう。
訪れる時期によって異なる表情を見せてくれるため、何度訪れても新しい発見があります。修行道場としての静寂と自然の美が調和した境内は、観光客だけでなく地元の人々にも愛される癒しの場所です。紅葉とともに過ごす穏やかな時間が、心に深く残ることでしょう。
瑞應寺とは?歴史と場所について

瑞應寺の概要と位置
愛媛県新居浜市山根町にある「瑞應寺(ずいおうじ)」は、豊かな自然に囲まれた静寂な場所に佇む曹洞宗の禅寺です。市街地からほど近く、新居浜ICから車で約7分というアクセスの良さながら、境内に一歩入ると別世界のような落ち着いた空気が流れます。
境内には県指定天然記念物の大イチョウをはじめ、季節ごとに美しい景観が広がります。特に秋には黄金色のイチョウともみじが競うように色づき、多くの参拝者や写真愛好家が訪れる紅葉の名所として知られています。
曹洞宗の修行道場としての役割
瑞應寺は、明治30年に曹洞宗専門僧堂として開設され、全国から修行僧が集まる本格的な修行道場として知られています。現在も約30人ほどの僧が厳しい修行に励んでおり、参拝の際にその姿を目にすることもあります。
境内では、毎週日曜日に一般の人も参加できる「日曜参禅会」が開かれ、禅の心に触れる貴重な体験ができます。また、毎月18日には経蔵の八角形の転輪経を回す行事が行われ、多くの参拝者が祈りを捧げます。
修行と自然が調和した静謐な空間が、訪れる人の心を穏やかにしてくれます。
歴史に刻まれた再建と発展の歩み
瑞應寺の創建は文安5年(1448年)に遡り、生子山城主・松木越前守景村公によって建立されました。その後、天正13年の戦火で焼失するも、戦後に再建。さらに文政11年にも火災に見舞われながらも復興を遂げ、現在の姿に至ります。
こうした度重なる再建の歴史の中で、瑞應寺は地域の信仰と共に歩んできました。昭和31年には、境内の大イチョウが県の天然記念物に指定され、昭和39年には樹齢800年を祝う大祭が行われました。禅の教えを守りながらも、地域文化を支える名刹として今も人々に親しまれています。
見どころ1:県指定天然記念物「大イチョウ」
樹齢800年以上の歴史と迫力
瑞應寺の象徴ともいえる「大イチョウ」は、愛媛県の天然記念物に指定されている名木です。推定樹齢は800年以上とされ、その堂々たる姿は訪れる人々を圧倒します。
かつて鎮守金毘羅大権現の奉祝にまつわる乳銀杏として植えられたと伝えられ、長い歳月を経て今も力強く根を張っています。幹まわりは約8.5メートル、高さは27メートルに達し、県内でも有数の巨木です。
静かな修行道場の境内にそびえるその姿は、まるで時を超えて生命の力強さを語りかけているようです。
黄金色に輝く葉が作る幻想的な景色
秋の瑞應寺を訪れるなら、何といってもこの大イチョウの黄金色の輝きが見逃せません。11月初旬から中旬にかけて葉が一斉に色づき、晴れた日には境内全体が柔らかな金色の光に包まれます。
陽光を受けた葉がきらめく姿はまるで黄金の滝のようで、訪れる人々の心を惹きつけます。その壮麗な風景は写真映えも抜群で、朝夕の光の変化とともに異なる表情を楽しむことができます。まさに自然が織りなす芸術作品といえるでしょう。
落葉をあえて残す「黄金の絨毯」の心遣い
瑞應寺のもう一つの魅力は、紅葉の季節に大イチョウの落葉を掃かずにそのまま残してくれるという心遣いです。境内の修行僧たちは、訪れる人々に黄金色の葉が敷き詰められた幻想的な景色を楽しんでもらいたいと、イチョウのエリアだけ特別に掃除を控えています。
その結果、地面いっぱいに広がる黄金の絨毯が現れ、まるで別世界に足を踏み入れたような美しさに包まれます。この温かな配慮が、瑞應寺を訪れる人々の心に深い感動を残しているのです。
見どころ2:山門を彩るもみじのアーチ
紅葉のトンネルを歩く特別な体験
瑞應寺の山門前では、秋になると両脇に立つもみじの木々が色づき、美しいアーチを作り出します。門をくぐると、まるで紅葉のトンネルを歩いているような感覚に包まれ、訪れる人々の心を穏やかにしてくれます。この紅葉のアーチは、寺院の静寂と調和し、自然が創り出す一瞬の芸術を感じさせます。
足元には散りゆく葉が舞い、風が吹くたびに赤や橙の光が差し込むその景色は、瑞應寺ならではの秋の風情です。写真を撮る人々にも人気の場所であり、門をくぐる瞬間に体験するこの「紅葉のトンネル」は、瑞應寺の秋を象徴する美しい場面のひとつです。
赤や橙に染まる幻想的な門前風景
瑞應寺の山門を囲むもみじは、11月下旬から12月初旬にかけて見頃を迎えます。門前の木々が一斉に赤や橙、そして黄に染まり、まるで絵画のような風景を生み出します。静かな寺院の佇まいと鮮やかな紅葉が見事に調和し、訪れる人々を幻想的な世界へと誘います。
陽の光を受けた紅葉が門を照らし出す様子は息をのむ美しさで、昼と夕方ではまったく異なる表情を見せてくれます。歴史ある山門と紅葉が織りなすこの光景は、瑞應寺の秋の魅力を象徴する絶景として、多くの参拝者の心に深く刻まれています。
瑞應寺で体験できる修行と行事
日曜参禅会で心を整えるひととき
瑞應寺では、毎週日曜日の朝に一般の方も参加できる「日曜参禅会」が行われています。時間は朝7時30分から8時30分までの1時間。静かな境内で姿勢を正し、呼吸を整えながら心を落ち着けるひとときは、日常の喧騒を忘れさせてくれます。
瑞應寺は全国から修行僧が集う専門僧堂でもあり、参加者は本格的な禅の空気に触れることができます。秋の紅葉に包まれた境内での坐禅体験は、自然と一体になるような静けさと安らぎを感じられる貴重な時間です。事前予約は不要で、誰でも気軽に参加できるのも魅力のひとつです。
毎月の法話会と経箱を回す行事
瑞應寺では、禅の学びを深めるための法話会や伝統行事も開催されています。
毎月第1日曜日の朝8時30分から10時までは「法話の会」が行われ、僧侶の説法を通して仏教の教えを学ぶことができます。また、毎月18日には「経箱を回す行事」が実施され、境内の大転輪経蔵に収められた八角形の経箱を一斉に回します。
この経箱には2千巻以上の経典が納められており、1回転させるとそれらを読んだのと同じ功徳が得られると伝えられています。修行と信仰が息づく瑞應寺ならではの伝統的な体験です。
アクセスと基本情報
所在地と駐車場の案内
瑞應寺(ずいおうじ)は、愛媛県新居浜市山根町8-1に位置する曹洞宗の寺院です。山根町の自然豊かな高台にあり、紅葉シーズンには多くの観光客で賑わいます。境内には無料駐車場が用意されており、普通車でも安心して利用できます。
秋の時期には混雑することもありますが、駐車スペースは比較的ゆとりがあり、参拝者がゆっくりと紅葉を楽しめる環境が整っています。周囲は静かで落ち着いた雰囲気が漂い、車を降りた瞬間から瑞應寺ならではの静寂と自然の調和を感じることができます。
アクセス方法(車での所要時間)
瑞應寺へのアクセスは非常に便利で、松山自動車道「新居浜IC」から車で約7分、「いよ西条IC」からは約16分ほどで到着します。道中は市街地を抜けて山根町方面へ進むと、徐々に山の緑が広がり、ドライブそのものも心地よい時間となります。
寺院までの道は整備されており、看板も設置されているため初めて訪れる方でも迷う心配は少ないです。公共交通機関の便は限られていますが、車を利用すればアクセスがスムーズで、紅葉シーズンでも比較的快適に訪れることができます。
拝観時の注意点(修行道場・禁煙など)
瑞應寺は曹洞宗の専門僧堂として修行僧が日々修行を行う場でもあります。そのため、参拝の際は静粛を保ち、修行の妨げにならないよう配慮が必要です。境内は山内全域が禁煙となっており、喫煙は固く禁止されています。
また、紅葉の落葉を美観として残しているため、境内では清掃作業中でも足元に注意しながら歩きましょう。ペットの同伴や大声での会話も控え、穏やかな心で過ごすことが大切です。訪れる人々が互いに思いやりを持つことで、瑞應寺本来の静謐な空気を感じることができます。
瑞應寺の紅葉のSNS情報
樹齢800年を数える大銀杏
午後の穏やかな陽射し
新居浜市の瑞應寺
まとめ
瑞應寺は、新居浜市でも屈指の紅葉名所として知られる静寂と自然が調和した寺院です。樹齢800年を誇る大イチョウや山門を彩るもみじのアーチは、訪れる人の心を癒す美しさを放っています。
11月を中心に長く紅葉を楽しめるのも魅力で、黄金色と紅色のコントラストが織りなす景観はまさに絶景です。また、修行道場としての厳かな雰囲気も相まって、訪問者に心の静けさをもたらします。歴史と自然が息づく瑞應寺で、秋の彩りと共に穏やかな時間を過ごしてみてください。



