瓶ヶ森(かめがもり)は、愛媛県と高知県の県境にそびえる標高1,897mの名峰。
例年10月上旬から中旬にかけて、ウラジロモミ、ブナ、ミズナラなどの木々が山全体を赤や黄色に染め上げ、まさに“天空の紅葉ロード”と呼ぶにふさわしい絶景が広がります。特に「UFOライン(町道瓶ヶ森線)」から眺める紅葉と石鎚山のコントラストは圧巻。
車窓からでも楽しめるアクセスの良さに加え、途中で立ち寄れる展望スポットやカフェも充実しており、登山初心者や家族連れにも人気の秋ドライブコースです。今年の紅葉見頃情報とおすすめスポットを詳しくご紹介します。
瓶ヶ森の紅葉の見頃時期はいつ?

日程
開催日:例年10月上旬~中旬
場所:瓶ヶ森
お問い合わせ先:西条市観光物産協会
電話番号:0897-56-2605
例年の紅葉シーズン
瓶ヶ森の紅葉は、例年10月上旬から中旬にかけてが見頃です。標高が高いため、平地よりも早く色づき始め、10月中旬には山全体が赤や黄色に染まります。
特に標高1,700m付近のUFOライン沿いでは、紅葉と山々のコントラストが見事で、車窓からでも十分に楽しめます。この時期は気温が平地より10℃ほど低いため、防寒具を用意して訪れるのがおすすめです。
標高ごとの色づきの違い
瓶ヶ森では標高差が大きいため、紅葉の進み方に段階的な変化があります。標高1,300m付近ではまだ緑が残る時期でも、1,700m付近ではすでに鮮やかな紅葉が始まります。
車で登るにつれて、ウラジロモミやブナ、ミズナラなどの色づきが移り変わり、まるで四季を駆け上がるような感覚を味わえます。紅葉のグラデーションを楽しむには、ドライブ中の景色の変化にも注目です。
紅葉と霧氷が同時に見られる幻想的な風景
瓶ヶ森では、気候条件が整うと紅葉と霧氷が同時に見られることがあります。10月中旬頃の冷え込む朝には、木々の紅葉に霧氷が重なり、白と赤の幻想的なコントラストが現れます。
この光景は秋から冬へのわずかな移ろいの瞬間で、まるで絵画のような美しさ。運が良ければ、UFOラインや山頂付近からこの奇跡のような景色を堪能できます。
紅葉ドライブに最適!UFOライン(町道瓶ヶ森線)とは

天空を走る絶景ルート
「UFOライン(町道瓶ヶ森線)」は、標高1,300〜1,700mの尾根沿いを約27kmにわたり走る絶景ドライブコースです。西日本最高峰・石鎚山を背に、雄大な山々の紅葉を見渡せる「天空の道」として知られています。
秋になるとウラジロモミやブナなどが赤や黄に染まり、まるで山全体が燃えるような美しさ。車窓からの眺めはもちろん、途中の展望ポイントで車を停めて景色を楽しむのもおすすめです。
舗装路ながら一部は一車線の区間もあり、慎重な運転が求められます。
「UFOライン」と呼ばれる由来
正式名称は「町道瓶ヶ森線」ですが、「UFOライン」という愛称が広まったのには興味深い理由があります。かつて登山者が撮影した写真にUFOのような光が写り込み、地元新聞に掲載されたことから話題となり、その名が定着しました。
元々は「雄峰(ゆうほう)ライン」と呼ばれており、「雄大な峰が続く道」を意味していました。雄大な山並みと神秘的な逸話が交錯するこの道は、紅葉とともに訪れる人々を魅了し続けています。
紅葉ドライブを楽しむ際の注意点
UFOラインは標高が高く、平地より気温が約10℃低くなるため、防寒具の持参が欠かせません。天候が急変しやすく、晴れていても突然霧が発生することがあります。
特に紅葉シーズンは観光客で混雑し、一車線区間ではすれ違いが難しい場面もあるため、譲り合いの運転が大切です。11月下旬から4月上旬までは冬季閉鎖となるため、訪れる際は事前に道路状況を確認しましょう。安全に配慮しながら、秋の絶景ドライブを存分に楽しんでください。
瓶ヶ森で楽しむ絶景スポットと見どころ
車窓から眺める紅葉のグラデーション
瓶ヶ森では、標高1,700m付近まで車で上ることができ、車窓からでも紅葉の移ろいを楽しめます。標高が上がるにつれて、緑から黄色、そして赤へと変化する木々の色合いが美しいグラデーションを描きます
。UFOライン(町道瓶ヶ森線)を走ると、ブナやミズナラ、ウラジロモミなどの天然林が鮮やかに彩りを添え、まるで絵画の中を走っているかのような感覚に。紅葉の時期には道中に多くの絶景ポイントが現れ、車を停めて写真を撮りたくなるスポットが次々と現れます。
自念子ノ頭(じねんごのあたま)からのパノラマビュー
UFOライン沿いにある「自念子ノ頭」は、短時間のトレッキングでたどり着ける絶景ポイントです。山頂からは西条市街や高知県側の山並みを一望でき、背後には雄大な石鎚山がそびえます。
紅葉の季節には、赤や黄に染まる山肌と青空のコントラストが見事で、まさにパノラマ写真にぴったりのスポットです。登山初心者でもアクセスしやすく、数分の散策で瓶ヶ森の自然美を満喫できます。山頂付近の笹原が風に揺れる光景も心を和ませてくれます。
笹原や瓶壺を歩く紅葉トレッキング
瓶ヶ森の山頂一帯はなだらかな平原で、ササに覆われた笹原が広がっています。この笹原を抜け、瓶壺(かめつぼ)と呼ばれる自然の窪地へ向かう短いトレッキングコースでは、紅葉と風にそよぐ笹が織りなす美しい景色を堪能できます。
登山道は整備されており、初心者でも安心して歩けるのが魅力。秋晴れの日には瀬戸内海から太平洋まで見渡せる絶景が広がり、紅葉の中を歩く爽快感は格別です。歩くごとに景色が変わる瓶ヶ森ならではの自然体験が楽しめます。
紅葉散策の途中で立ち寄りたいおすすめスポット
「山荘しらさ」で味わう山カフェのスイーツ
瓶ヶ森の中腹に位置する「山荘しらさ」は、2021年にリニューアルされた宿泊施設で、紅葉ドライブの途中に立ち寄るのに最適なスポットです。併設のカフェ「山カフェ」では、山の澄んだ空気とともに、こだわりのスイーツや軽食を楽しむことができます。
大きな窓からは紅葉に染まる山々や石鎚山系の絶景を望むことができ、カフェタイムを通して自然の美しさを五感で味わえるのが魅力です。ドライブや散策の疲れを癒しながら、季節限定のデザートや地元食材を使ったメニューを堪能できるのも嬉しいポイント。
宿泊利用をすれば、夕暮れから夜明けにかけての山の色彩変化も楽しめ、まさに瓶ヶ森の魅力を一日中感じられる癒しの拠点です。
「土小屋terrace」で楽しむ食事とお土産探し
紅葉を楽しんだ後に立ち寄りたいのが、2020年に全面リニューアルされた「土小屋terrace」。石鎚山への登山口近くに位置し、カフェや食堂が併設された開放的な空間で、紅葉ドライブの休憩にぴったりです。
地元の旬食材を使った食事メニューやオリジナルスイーツを味わえるほか、ショップでは登山グッズやお土産も豊富に揃っています。
ガラス張りのテラス席からは、秋色に染まる山並みや澄んだ空気の中での絶景を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせます。登山をしない人でも気軽に立ち寄れる場所として人気が高く、自然の恵みと人の温もりが調和した癒しのスポットです。
登山初心者にもおすすめの周辺ルート
手軽に登れる伊吹山
UFOライン周辺で最も手軽に楽しめる山が「伊吹山」です。登山口からわずか10分ほどで頂上に到達できるため、登山初心者や子ども連れでも安心して挑戦できます。
道中は広がる笹原が美しく、風が吹くたびに一面が波打つように揺れる様子は圧巻です。頂上に立つと、北には穏やかな瀬戸内海、南には雄大な太平洋を一望できるという贅沢な景観が待っています。
短時間で到達できるにもかかわらず、四国の山々を代表するダイナミックなパノラマを体感できるのが魅力です。ドライブ途中の立ち寄りスポットとしても人気が高く、紅葉シーズンには鮮やかに色づいた山肌が訪れる人々を迎えてくれます。
瓶ヶ森・石鎚山系の壮大な景観を一望
瓶ヶ森を中心とする石鎚山系は、西日本屈指の絶景エリアとして知られています。
UFOラインを走るだけでも、標高1,300〜1,700mの尾根沿いから壮大な山並みを見渡すことができ、紅葉シーズンには赤や黄に染まった山肌と石鎚山の雄姿が織りなすコントラストが見事です。瓶ヶ森の山頂付近は広大な笹原が広がり、まるで天空の草原のような雰囲気。
短いトレッキングでも、雲海に浮かぶようなパノラマを堪能できます。天候に恵まれれば、西条市街や高知県側の山々まで望むことができ、四国の大自然のスケールを肌で感じられるでしょう。
登山初心者でも気軽に絶景を楽しめるのが、この山系の大きな魅力です。
紅葉ドライブ・登山を快適に楽しむためのポイント
防寒対策と天候の注意点
瓶ヶ森は標高1,700mを超える高地に位置し、平地より約10℃ほど気温が低くなります。紅葉シーズンである10月中旬でも、朝晩は一桁台まで冷え込むことがあるため、必ず防寒具を用意しましょう。
薄手のダウンやウインドブレーカーがあると安心です。また、山の天候は変わりやすく、平地が晴れていても山頂では霧や雨に見舞われることがあります。急な天候変化で視界が悪くなる場合もあるため、ドライブや登山の際は無理をせず、早めの行動を心がけましょう。
防水仕様の靴やレインウェアも準備しておくと、快適に紅葉散策を楽しめます。
混雑時期のドライブマナーと安全運転のコツ
UFOライン(町道瓶ヶ森線)は、紅葉シーズンの10月中旬には多くの観光客で賑わいます。
道路は全区間舗装されていますが、狭い一車線区間が続くため、すれ違いには十分注意が必要です。見通しの悪いカーブではスピードを落とし、譲り合いの心を持って運転しましょう。
特に駐車や撮影目的での急停車は事故の原因となるため避けるのが鉄則です。混雑を避けたい場合は、平日や早朝の訪問がおすすめ。道中には絶景スポットが多いので、安全な駐車スペースを利用してゆっくり観賞すると安心です。
マナーを守りながら、秋の大自然を心ゆくまで楽しみましょう。
瓶ヶ森の紅葉のSNS情報
紅葉と大雲海
紅葉
頂上からの景色
まとめ:秋の瓶ヶ森で自然と絶景に癒されよう
秋の瓶ヶ森は、四国でも屈指の紅葉スポットとして知られています。
標高1,700m付近まで車で行けるUFOラインからは、ブナやミズナラが色づく山肌と、背後にそびえる石鎚山の雄大な姿を一望できます。ドライブ途中の展望スポットでは、赤や黄に染まる木々と雲海が織りなす絶景が広がり、思わず足を止めたくなる美しさです。
また、短時間のトレッキングで訪れられる自念子ノ頭や笹原では、360度のパノラマが楽しめます。車窓から眺めるだけでなく、歩いて感じる自然の息吹も魅力のひとつです。
山頂付近の気温は平地より約10℃低いため、防寒具を忘れずに。山荘しらさや土小屋terraceでの休憩もおすすめです。雄大な自然と紅葉に包まれた瓶ヶ森で、心まで澄み渡るような秋のひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。



