勇壮華麗な「新居浜太鼓祭り」は、愛媛県新居浜市で毎年10月16日~10月18日(一部地域は15日から)に開催される四国三大祭りのひとつです。
高さ約5.5メートル、重さ約3トンもの太鼓台が市内を練り歩く姿は圧巻で、最大の見どころである「かきくらべ」では、担ぎ手たちが息を合わせて太鼓台を頭上に差し上げ、観客を熱狂させます。
伝統と迫力が融合した秋の一大イベント、その日程と見どころをご紹介します。
新居浜太鼓祭りの日程と概要

概要
開催日時:毎年10月16日~10月18日
場所:新居浜市内各地域
お問い合わせ先:愛媛県新居浜市ホームページ
電話番号:0897-65-1261
開催日程(毎年10月16日~18日)
新居浜太鼓祭りは、毎年10月16日~10月18日にかけて開催される秋の一大イベントです。
この3日間、市内各地で全54台の太鼓台が練り歩き、昼夜を問わず迫力ある姿を披露します。最大の見どころである「かきくらべ」も各所で行われ、観客は勇壮で華やかな太鼓台を間近で楽しむことができます。
愛媛の秋を象徴する祭りとして、多くの観光客や帰省者で市内が賑わい、街全体が祭り一色に染まります。
地元での「地方祭休業」文化
新居浜太鼓祭りは、地元にとって単なる行事ではなく、生活の一部として深く根付いています。
その象徴が「地方祭休業」と呼ばれる習慣で、多くの企業や学校、病院までもが祭りの期間中は休業・休校となります。まるで正月のように街全体が休みに入り、地域の人々は祭りに集中します。
遠方に住む出身者も、この期間に合わせて帰省することが多く、祭りが地元愛を強く感じられる特別な時間となっています。
新居浜太鼓祭りとは?
四国三大祭りのひとつ
新居浜太鼓祭りは、徳島の阿波踊り・高知のよさこい祭りと並んで「四国三大祭り」に数えられる壮大な秋祭りです。
毎年10月16日~10月18日愛媛県新居浜市で開催され、市内全域から集まる54台もの太鼓台が街を勇壮に練り歩きます。巨大で華やかな太鼓台が集結する光景は迫力満点で、地元住民はもちろん全国からの観光客を魅了します。
市内全体が祭り一色に包まれ、地元の誇りと熱気を肌で感じられる一大イベントです。
歴史と起源
新居浜太鼓祭りの起源は平安時代や鎌倉時代まで遡るとされ、五穀豊穣や安全祈願の祭礼として行われてきました。
江戸時代後期の文政年間には「神輿太鼓」と呼ばれており、当初は御神輿に付き従う存在でしたが、次第に祭りの中心となっていきました。
明治以降は別子銅山の繁栄により地域の経済力が増し、太鼓台は大型化・豪華化していきます。300年以上にわたり受け継がれてきた伝統は、今もなお地域の誇りとして輝き続けています。
太鼓台とは?
太鼓台とは、新居浜太鼓祭りの象徴ともいえる巨大な山車の一種です。高さ約5.5メートル、長さ約12メートル、重さは最大で3トンに及び、金糸刺繍で飾られた豪華な幕や立体的な龍の刺繍が施されています。
担ぎ手である「かき夫」約150名が力を合わせて担ぎ上げ、時には頭上に高く差し上げる「さしあげ」が観客を沸かせます。地域ごとに意匠や装飾が異なるため、太鼓台を見比べるのも祭りの楽しみのひとつです。
新居浜太鼓祭りの見どころ
勇壮な太鼓台の練り歩き
新居浜太鼓祭りの大きな魅力は、54台もの巨大な太鼓台が市内を勇壮に練り歩く姿です。
高さ約5.5メートル、重さ約3トンにもなる太鼓台を、地区ごとのかき夫たちが威勢の良い掛け声とともに担ぎ進む様子は圧巻。
金糸刺繍で彩られた豪華な装飾が太陽の光を浴びて輝き、観衆を魅了します。沿道を埋め尽くす人々が熱気に包まれるこの光景は、まさに祭りの醍醐味です。
迫力満点の「かきくらべ」
祭りの最大の見せ場とされるのが「かきくらべ」です。かき夫たちが太鼓台の車輪を外し、全員の力で天高く差し上げる瞬間、観客から大歓声が沸き起こります。
重さ約3トンを超える太鼓台を地面に下ろさず支え続ける力強さと、息の合った動きは、まさに団結の象徴。各地区が誇りをかけて挑む姿に、多くの人々が胸を熱くします。勇壮で華やかな光景は一度見れば忘れられません。
夜明け前に行われる神事
角野地区で行われる神事は、新居浜太鼓祭りの開幕を告げる重要な行事です。
夜明け前の静寂を破る砲声とともに、かき夫たちが太鼓台を担ぎ、約100段もの石段を一気に駆け上がります。暗闇の中で力強く進む姿は勇壮そのもので、観客の熱気と掛け声が会場全体を包み込みます。
祭りの始まりを告げるこの瞬間は、参加者と観客の心を一つにし、非日常の世界へと誘います。
豪華絢爛な飾り幕と立体刺繍
新居浜太鼓祭りの太鼓台を間近で見ると、その装飾の豪華さに驚かされます。四面に施された龍のにらみ顔や立体感のある刺繍は、まさに職人技の結晶。
金糸で彩られた布団締めや幕は、細部まで意匠が凝らされており、地区ごとの個性や誇りが込められています。
これらの飾り幕は地域の人々によって丁寧に修理・新調され、代々受け継がれてきた伝統と技術を今に伝えています。
地元に根付く祭り文化
経済発展と太鼓台の大型化の歴史
新居浜太鼓祭りの太鼓台は、江戸時代後期に「神輿太鼓」として登場しました。
当初は比較的小さく質素な造りでしたが、明治期に別子銅山の繁栄とともに地域が経済的に活気づき、地区同士の競い合いも相まって急速に大型化しました。
高さ約5.5メートル、重さ3トンにも及ぶ豪華な太鼓台は、地域の力を示す象徴となり、年々その装飾も華やかさを増していきました。
伝統を支える祭り職人たち
豪華絢爛な太鼓台を維持するためには、地元に根付いた職人たちの技術が欠かせません。特に太鼓台を彩る飾り幕の立体刺繍は、熟練した職人の手仕事によって修理や新調が行われます。
年に一度の祭りに向けて細心の注意を払いながら伝統技術を受け継ぐ姿は、地域文化を未来へつなぐ重要な役割を果たしています。祭りそのものが、職人の誇りと技術の結晶なのです。
地元愛と帰省文化
新居浜太鼓祭りは、地域住民にとって単なる秋祭り以上の存在です。
開催期間中は「地方祭休業」として企業や学校も休みとなり、まるで正月のような雰囲気に包まれます。県外で暮らす出身者の中には「正月やお盆より祭りに帰る」と語る人も多く、地元への愛と誇りが感じられます。
華やかな太鼓台とともに、祭りは人々の絆を深める場となっているのです。
まとめ
新居浜太鼓祭りは、愛媛県新居浜市で毎年10月16日~10月18日に開催される四国三大祭りのひとつで、勇壮で華やかな太鼓台が街を練り歩く姿は圧巻です。
最大の見どころである「かきくらべ」では、数百人の担ぎ手たちが巨大な太鼓台を差し上げ、観客を熱狂させます。歴史は平安時代まで遡り、現在も職人の技と地域の誇りによって受け継がれています。
地元の人々にとっては、正月以上に重要な行事とも言われ、観光客にも忘れられない感動を与える秋の風物詩です。伝統と迫力が融合したこの祭りを、ぜひ現地で体感してみてください。