西条市旧丹原町で毎年秋に開催される「丹原秋まつり」。
だんじりやみこしの統一かきくらべをはじめ、100余個の提灯が彩る夜の商店街や、市の無形民俗文化財に指定された『松下流殿中奴』の奉納など、地域の歴史と人々の絆を感じられる見どころが満載です。
今年の開催日程や各イベントのポイントを詳しくご紹介します。
丹原秋まつりの基本情報

概要
場所:統一かきくらべ / おまつり広場
場所:綾延神社殿中奴 / 綾延神社
お問い合わせ先:西条市役所 観光振興課
電話番号:0897-52-1690
開催場所とアクセス
丹原秋まつりは、旧丹原町の中心にある丹原商店街と周辺の神社で開催されます。
メインイベントの「統一かきくらべ」は商店街のおまつり広場で行われ、だんじりやみこしが集結する光景は圧巻です。
開催日程と時間
丹原秋まつりは10月中旬に行われることが多く、商店街での統一かきくらべは18時からスタートします。
綾延神社の『殿中奴』や磐根神社の『毛槍投げ奴』など、各神社の奉納行事は10月の第3日曜日を中心に開催されます。
祭り期間中は夕方から夜にかけてライトアップされた提灯や太鼓の音で商店街が賑わい、地域の伝統と秋の風情を存分に楽しむことができます。
丹原秋まつりの魅力
統一かきくらべ
丹原秋まつりの大きな見どころのひとつが、商店街のおまつり広場で行われる「統一かきくらべ」です。
夕刻になると、だんじり4台とみこし2台が一堂に会し、太鼓や掛け声が響き渡る中で迫力ある競演を繰り広げます。
夜が更けるにつれて100余個の提灯が灯り、幻想的な光景が商店街を包み込みます。その光と熱気に集まった観客は、地元の人々と一体となって祭りの醍醐味を味わうことができます。
商店街の店主と担ぎ手、地域住民が心を寄せ合いながら作り上げる空間には、懐かしさと温かさが漂い、地域の絆を感じられる瞬間が広がります。
綾延神社殿中奴(あやのべじんじゃでんちゅうやっこ)
綾延神社の秋祭りは、毎年10月第3日曜日とその前日に行われ、市の無形民俗文化財に指定されている『松下流殿中奴』が奉納されます。
この行事は江戸時代の参勤交代を再現したものとされ、奴道中では挟箱を先頭に、なぎなた、大鳥毛・小鳥毛・熊毛槍といった伝統的な道具を携えた行列が進みます。
最大の見どころは「喧嘩奴」と呼ばれる場面で、奴と神輿が進路をめぐって小競り合いを繰り返す迫力ある光景です。威勢のよい掛け声と緊張感あふれる動きは、見る人を祭りの熱気に引き込みます。
格式高い伝統と地域の誇りを体感できる貴重な時間です。
磐根神社毛槍投げ奴(いわねじんじゃけやりなげやっこ)
磐根神社の秋祭りは、毎年10月の第3日曜日に行われ、西条市の中でも特に格式高い行事として知られています。
この祭りの大きな見どころは、市の無形民俗文化財に指定されている『赤坂流道中投奴行列』です。江戸時代から続くとされる行列は、舞獅子を先頭に奴たちが続き、古式ゆかしい雰囲気を漂わせます。
中でも注目されるのが「投げ奴」の演技で、垂直に立てた毛槍を空高く投げ上げ、見事に受け止めながら進む姿は圧巻。厳かな伝統の中に緊張感と迫力があり、観客の視線を釘付けにします。
華麗さと力強さが融合した丹原ならではの祭りの魅力を堪能できます。
丹原秋まつりを楽しむポイント
丹原秋まつりの魅力の一つは、小規模ながらどこか懐かしさを感じさせる商店街の雰囲気です。昔ながらの店が並ぶ通りに、だんじりやみこしが練り歩く光景は、地域の暮らしに根差した温かさを感じさせます。規模が大きすぎないからこそ、観客と祭りを担う人々との距離が近く、間近で迫力を体感できるのも嬉しいポイントです。
また、地域の人々との触れ合いも大きな楽しみの一つ。商店街の店主や担ぎ手たちは、観客に笑顔で声をかけたり、一緒に写真を撮ってくれたりと、温かいおもてなしをしてくれます。観光客であっても、すぐにその場に溶け込めるアットホームな雰囲気が魅力です。
さらに、旧町ならではの祭りの特色も見逃せません。西条市中心部の祭りに比べて素朴さが残り、地域に伝わる歴史や文化が色濃く表れています。だんじりや神輿の統一かきくらべに加え、無形民俗文化財に指定された奴行列など、伝統を大切にしながら今に受け継がれている姿に触れることができます。
まとめ
丹原秋まつりは、西条市旧丹原町の歴史や人々のつながりを感じられる、地域色豊かなお祭りです。
だんじり4台とみこし2台が揃って披露される「統一かきくらべ」は迫力満点で、100余個の提灯に照らされた幻想的な雰囲気は必見。
また、綾延神社の『松下流殿中奴』や磐根神社の『赤坂流道中投奴行列』といった市指定の無形民俗文化財は、他ではなかなか見られない伝統芸能として大きな見どころです。
小規模ながら人情味あふれる商店街の雰囲気も楽しめるので、観光客も地元の人も心温まる体験ができます。観覧の際は、夕暮れから夜にかけての提灯の灯りを堪能しながら、地域の人々との交流を楽しむのがおすすめです。