松山の秋を熱く彩る「松山道後秋祭り」は、毎年10月5日から7日にかけて開催される伝統行事です。
中でも圧巻なのは、道後温泉駅前で繰り広げられる迫力満点の「鉢合わせ」。八町会の大神輿が激しくぶつかり合う姿は息をのむほどの迫力で、多くの観光客や地元の人々を魅了します。
さらに、伊佐爾波神社の135段の石段を駆け上がる「宮入」なども必見。
この記事では、「松山道後秋祭り」の開催日程と祭りの見どころをご紹介します。
松山道後秋祭りの日程

概要
開催日時:毎年10月5日から7日
場所:愛媛県松山市伊予鉄道後温泉駅前
お問い合わせ先:伊佐爾波神社
電話番号:089-947-7447
宵宮(10月5日)
祭りの幕開けとなる宵宮は、道後温泉駅前に各町の神輿が集結し、華やかな雰囲気に包まれます。
20時頃から宵宮式典が始まり、神輿の「かきくらべ」や総練りといった迫力あるパフォーマンスが繰り広げられます。
観光客にとっては、祭りの熱気を肌で感じられる絶好のタイミングです。日中とは異なる、夜の灯りに照らされた神輿の姿もまた見応えがあり、初日から熱気に包まれる一夜となります。
大祭(10月6日)
二日目は各神社で例大祭が執り行われ、神聖な雰囲気と地域の伝統を感じられる一日です。
午前中には伊佐爾波神社や湯神社で厳かな神事が行われ、地域の人々が五穀豊穣や家内安全を祈ります。神輿行事は比較的穏やかですが、祭りの本質である「神事」を体感する大切な時間です。
観光客にとっては賑やかな「鉢合わせ」とは異なる、静と動の対比を楽しめる一日となっています。
本宮(10月7日)
祭りの最高潮を迎える本宮は、早朝から松山市内が祭り一色に染まります。
午前5時過ぎには神輿が宮出しを行い、6時半頃から道後温泉駅前で八町会の大神輿による豪快な「鉢合わせ」が始まります。勇壮な掛け声と共にぶつかり合う神輿は圧巻で、全国から多くの見物客が訪れる理由でもあります。
さらに、伊佐爾波神社の135段の石段を駆け上がる「宮入」も必見。終日、熱気と歓声に包まれた祭りのクライマックスです。
松山道後秋祭りとは?

祭りの起源と歴史
松山道後秋祭りは、五穀豊穣や家内安全、商売繁盛を祈願するために古くから受け継がれてきた伝統行事です。起源は江戸時代以前にさかのぼるとも言われ、地域の人々の信仰と生活に深く結びついてきました。
特に大神輿同士が激しくぶつかり合う「鉢合わせ」は神の霊威を高める儀式とされ、祭りの象徴的な場面となっています。
戦争や担ぎ手不足により一時中断されたこともありましたが、地元の人々の尽力により復活し、現在まで途切れることなく続いています。
開催場所と参加神社について
松山道後秋祭りは、愛媛県松山市内の複数の神社で行われます。中心となるのは、道後温泉駅前を舞台とする伊佐爾波神社と湯神社の祭礼で、勇壮な神輿の「鉢合わせ」が特に有名です。
さらに、厳島神社や石手川公園、城山公園などでも迫力ある神輿行事が展開され、松山市全体が祭り一色に染まります。
祭り期間中は町ごとに神輿が繰り出し、地域住民と観光客が一体となって盛り上がるのも大きな魅力です。
「八町会」とは?
「八町会」とは、松山道後地区の八つの町が連携して結成している組織で、道後秋祭りの中心的な役割を担っています。
それぞれの町が大神輿を所有し、祭りでは八基の大神輿が道後温泉駅前に集結。豪快な「鉢合わせ」を繰り広げる姿は圧巻です。
八町会は単なる祭り運営団体ではなく、地域の絆を深め、次世代へと伝統を受け継ぐ大切な存在でもあります。
毎年異なる組み合わせで鉢合わせを行うなど、祭りを続けるための工夫も施されています。
松山道後秋祭りの見どころ
魂のぶつかり合い「鉢合わせ」
松山道後秋祭り最大の見どころといえば「鉢合わせ」です。道後温泉駅前に集まった八町会の大神輿が、それぞれ2回ずつ計8回、豪快にぶつかり合います。
掛け声「もてこい!もてこい!」が響く中、神輿を支える若い衆が全力で押し合う姿は、まさに魂のぶつかり合い。神輿に宿る神の霊威を高めるとされる伝統行事で、見物客の熱気も相まって会場は一体感に包まれます。
勇壮さと緊張感に満ちた迫力は、一度見れば忘れられない体験となるでしょう。
圧巻の「宮入」と「宮出し」
鉢合わせと並んで見逃せないのが「宮入」と「宮出し」です。祭りの始まりを告げる宮出しでは、担ぎ手たちが威勢の良い掛け声と共に神輿を担ぎ上げ、力強く境内を出発します。
そして祭りの締めくくりとなる宮入では、疲れをものともせず神輿を担いだ男衆が境内へと駆け上がり、祭りのクライマックスを飾ります。神輿が社殿へと戻る瞬間は、祭りの終焉を惜しむ気持ちと達成感が交錯する感動的な場面です。
伊佐爾波神社の135段石段を駆け上がる勇壮な姿
伊佐爾波神社の象徴ともいえる135段の石段を大神輿が一気に駆け上がる場面は、松山道後秋祭りの大きな見どころです。
急勾配の階段を数十人がかりで担ぎ上げる光景は、勇壮そのもの。担ぎ手たちの気迫と結束力が試される瞬間であり、観客の目には壮大で荘厳な景色が映し出されます。
石段を上り切った先には、全国でも珍しい「八幡造り」の社殿が鎮座し、祭りの雰囲気をさらに引き立てます。担ぎ手の熱気と観客の熱狂が交差する、まさに圧巻の光景です。
見物客で賑わう道後温泉駅前の熱気
祭り期間中、道後温泉駅前は大勢の見物客で埋め尽くされます。特に10月7日の早朝に行われる鉢合わせの時間帯は、地元住民や観光客が一斉に集まり、その場の熱気は最高潮に達します。
神輿同士がぶつかり合う迫力に、観客の歓声と掛け声が響き渡り、街全体が祭り一色に染まります。道後温泉という観光地ならではの雰囲気も相まって、訪れる人々に特別な体験を提供してくれるでしょう。
非日常の熱狂を味わえるのも、この祭りの大きな魅力です。
松山道後秋祭りの神輿と担ぎ手について
神輿の種類(大神輿・女神輿・子供神輿)
松山道後秋祭りでは、大小さまざまな神輿が登場します。特に迫力を誇るのは「大神輿」で、成人男性が担ぎ手となり、「ヨイサ ヨイサ」の掛け声とともに力強く練り歩きます。
一方、女性が担ぐ「女神輿」や子どもたちの「子供神輿」は、地域の人々が幅広く参加できる親しみやすい存在で、「ワッショイ ワッショイ」と威勢よく声を合わせます。
世代を超えて受け継がれる神輿は、それぞれの町の誇りと絆を象徴し、祭りの賑わいをより一層引き立てます。
担ぎ手の役割と掛け声
担ぎ手は神輿を担ぐだけでなく、地域の誇りを背負い、神霊を宿す神輿に魂を込める重要な役割を担います。
大人の担ぎ手は全身で神輿を支え、力強い「ヨイサ ヨイサ」の掛け声で息を合わせます。女性や子どもの担ぎ手は「ワッショイ ワッショイ」と元気な声を響かせ、祭り全体を明るく彩ります。
掛け声は単なる気合いの言葉ではなく、神輿と心を一体にするための合図であり、観客を巻き込みながら熱気を高める祭り独特の魅力を生み出します。
神輿守りと大頭取の存在
神輿を担ぐ担ぎ手を支えるのが「神輿守り」と呼ばれる若者たちです。彼らは神輿の周囲を取り囲み、押し合いや鉢合わせの際に全身で神輿を守る頼もしい存在です。
そして神輿の頂上に立ち、全体を統率するのが「大頭取」。担ぎ手に声をかけて士気を高めたり、鉢合わせのタイミングを指示するなど、重要な役割を果たします。
神輿守りと大頭取が一体となることで、激しいぶつかり合いの中でも統制が保たれ、安全かつ迫力ある祭りが実現しています。
松山道後秋祭りを楽しむためのポイント
安全に観覧するための注意点
松山道後秋祭りでは、特に「鉢合わせ」の際に神輿同士が激しくぶつかり合うため、観覧者は十分な距離を確保することが大切です。
早朝から多くの見物客が集まるため、混雑による転倒や押し合いにも注意が必要です。また、カメラやスマートフォンで撮影する際は、周囲の動きを確認して安全を最優先にしましょう。
子ども連れの場合は手をしっかり握り、飛び跳ねる担ぎ手や神輿から離れた場所で観覧することをおすすめします。
見物におすすめのスポット
祭りを間近で楽しむなら、道後温泉駅前が最も迫力を感じられるスポットです。八町会の大神輿が集まり、それぞれが2回ずつぶつかる「鉢合わせ」は必見。
また、伊佐爾波神社の135段の急勾配石段から見下ろす景色も圧巻で、神輿を担ぐ人々の熱気を上から眺められます。
松山道後秋祭りの担ぎ手として参加するには?
応募条件と必要な準備
松山道後秋祭りで神輿を担ぐ「かき夫」として参加するには、原則として男性で10代後半から30代の方が対象です。
松山市内を中心に県内外からの参加者も歓迎されており、祭りの3日間(10月5日~7日)に参加できることが条件です。
参加希望者は、練習や準備期間もあるため、8月中旬から下旬までに応募するのが望ましいです。
安全に神輿を担ぐためのルールや、実際の動きに慣れるための事前練習も行われます。
祭り衣装や持ち物について
担ぎ手は法被や鉢巻など、祭り専用の衣装を身につけます。基本的には自己負担で用意するものもありますが、道後村大神輿会ではレンタル衣装も用意されているため安心です。
また、足元は動きやすい靴、汗拭きタオルや水分補給用の飲料など、長時間の活動に備えた持ち物を準備しておくと安心です。
安全対策として手袋や補強用の小物も使用されることがあります。
他地域からの参加も可能?
松山市内在住でなくても参加は可能です。伊予市、松前町、砥部町など近隣地域からの参加者に加え、南予・東予方面など遠方から訪れる担ぎ手も多くいます。
事前に申し込みを行えば、体験や見学だけでも参加可能です。
祭りを通して地元の人々との交流や、伝統文化の体験ができるため、地域を超えて多くの人が参加できる環境が整っています。
まとめ
松山道後秋祭りが伝える伝統と魅力
松山道後秋祭りは、五穀豊穣や家内安全、商売繁盛などを祈る伝統的な神事であり、地域の人々の結びつきや歴史の深さを感じられる行事です。
特に道後温泉駅前で行われる「鉢合わせ」は、八町会の大神輿が激しくぶつかり合う姿が見どころで、観客を圧倒する迫力があります。
さらに135段の石段を駆け上がる「宮入」や「宮出し」など、祭り全体に緊張感と熱気があふれ、地元の若者たちの力強い掛け声とともに、祭りの魅力が存分に伝わります。
開催に向けて期待されること
10月5日から7日にかけて、松山市内の各神社で秋祭りが開催される予定です。
今年は例年通り、八町会の大神輿による鉢合わせが道後温泉駅前で行われ、迫力ある神輿の衝突を間近で体感できます。祭りの安全対策も強化され、観覧者や参加者が安心して楽しめる環境が整えられる見込みです。
また、地元の伝統を体験したい観光客や、祭りに参加したい若者たちにとっても、今年の祭りは見逃せないイベントとなるでしょう。